12006. コメント(現さま)

(コメントいただきました)

こんにちは、現です。いつぞやはどうも。ところで、ちょっと疑問なのですが、ワクチンと荒瀬抗体は無関係なのではないでしょうか? 荒瀬抗体はNTDに結合してクローズからオープンのコンフォメーションに変えるのが促進作用の中核と理解していますが、そもそもワクチンで発現するSタンパクは、PPを導入して安定化させたプレフュージョンコンフォメーションです。これはオープンコンフォメーションと近似した構造(同じ構造?)ではないですか?これがもし正しいとすると、ワクチンで誘導する中和抗体は、荒瀬抗体が働こう働くまいが関係なく、オープンコンフォメーションに結合して中和するということになります・・・と考えているのですが。  それからデルタ4+などの変異の話ですが、そもそもACE2との結合という活性を保持する限り、おのずとRBMの変異の範囲は限られるはずです。また、そう簡単に変異で中和を回避できないというニュアンスの論文もありますし、そんな都合のよい変異株(しかも高い感染性を保持して)が出てくるのかなと疑問を感じます。また、もし万一回避されても、まだ細胞性免疫があって、発症や重症化の予防に作用するのではないでしょうか?

(以上、ありがとうございました)

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.08.22.457114v1.full#ref-44

1点目、

ワクチンがPP変異を持ってpre-fusionの形に固定されていようとも、抗NTD抗体を作るのに、何の支障もないです。

ファイザーワクチン接種後の人の血清を用いたデータがpreprintに上がっていますが、NTDの増強抗体は作られているようです。

この図で、赤いdelta4+の株(中和抗体が結合しない株)で見た時に、ある血清の希釈で-50ってことは1.5倍に感染が増強することがあるって意味です。(PFZとはファイザー接種者のこと)

(緑の線は、NTDに結合する中和抗体が働くように武漢型に戻した株では、感染増強抗体と中和抗体の拮抗が見られて、感染増強にはなってない様子を示しています)

2点目、ワクチンのS抗原ではなく、ウイルスが感染する場合、もしも、中和抗体が十分ある場合であれば、感染増強抗体(荒瀬抗体)がNTDに先に結合して、RBDが無理やりupに引っ張られたとしても、まだ中和抗体が感染を阻止してくれますので、「荒瀬抗体が働こう働くまいが関係なく、オープンコンフォメーションに結合して中和するということになります」が、もしも中和抗体が結合出来ない変異がRBDに入れば、荒瀬抗体が働けば感染増強効果がマスクされることなく見えてしまいます。(これがデルタ 4+で示された未来)

3点目。

少なくともE484KとN501Yは共存します。南アフリカ株、ブラジル株がそれに当たります。増殖力ではP681Rを持つデルタに負けましたけど。今、AY lineageの中でRBDに変異があるウイルスは、まだオリジナルデルタを凌駕する感染力を持ってませんが、ウイルスの増殖力のupは、別にSタンパク質に変異を入れなくても、なし遂げることが出来る可能性を秘めていると思います(例えばpolymeraseやproteaseの活性が少し良くなるとか)。また、世界で80%以上のワクチン接種になった国では、むしろ、多少の増殖力を犠牲にしても免疫逃避した株の方が有利になりオリジナルデルタが駆逐されて見えるようになることも考えられます。(おそらく、こっちの方が日本では見られるように思う)

4点目、

もしも、デルタ4+でのブレークスルー感染が起きた場合、細胞性免疫で重症化を防ぐ効果が保たれるのは、「取り込んだウイルスが少ない」場合です。これまで何回か説明してるように、重症化するタイミングは感染細胞が排除されようとする時で、排除しなければならない感染細胞(特に肺で)が多いと、細胞性免疫がむしろ重症化に加担することもあります。

だから、私は「ワクチンしても肺に吸い込むウイルス量を減らすように」とマスクを推奨しています。

5点目

ADEってのは起きてはならない現象なのです。ワクチン禍として歴史に残ってしまう。それは今後のワクチン政策において、禍根を残すことになる。

だから私は、この3月から、ほとんどADEに対する懸念しか言ってません。

抗体が下がった時に、ワクチン抗体を逃避する変異に、多く出会った場合。

この3つの条件のうち、最初の「抗体が下がった」についてはブースターで各国は対処しています。

変異については、各国がモニタリングをして警戒してます。今は見えなくても、将来、出てこないとは限らない。デルタで終わりにしたいのは、みんなの願いですけどね。

多く吸い込まないように、ワクチンをしてもマスク、これが日本だけでもキープできれば、何があってもなくても(自分の抗体が減ってても、変異株が知らないうちに広がってても)、感染は最小になると私は思っています。

マスクをするってことは、まだ、ウイルスを意識して暮らすってことなので、人との会食も控えめになるでしょうし。

6点目

「ADEは必ず起きる、だから、今のワクチンを接種しても無駄だ」と言ってはいません。

少なくとも、今のデルタ株に武漢株のワクチンが立派に「盾」として機能したことは、日本の第五波が証明している。このままデルタ株から進化しなければ、、ここで終わらせれば!と。

デルタで終わりだと自分で感じられたら、私はほっとして消えることが出来ます。

こびナビの峰さんのように「ADEはデマだ」と断言しないで欲しいのです。

厚労省のQ&Aを虚心坦懐に読んで欲しい。

「今後も、新たな変異型が出現した場合には、ワクチンを接種した人でADEが生じるかを観察する必要はありますが、現時点ではADEの懸念はないと考えられます。」

これ以上でも、これ以下でもない。これは科学的に妥当で正確な表現だと私は思っています。

そのことを知ってて欲しいのです。厚労省が騙しただのなんだの変なことを言う人に、騙されないで欲しいのです。