11714. コメント(DVer様)2

(コメント続きます)

11713. コメント(DVer様)

先生、早速の御回答どうもありがとうございました!
( 細胞性免疫はHLA拘束性のために、人それぞれに違うところを見るようになっているので、CTL逃避株が人類共通の脅威にはなりにくいのです。)
この部分につきまして、人類共通の脅威にはなりにくいとのこと、大変勉強になりました。
各個人毎で考えました場合は(同じHLAでの細胞性免疫になるため?)、細胞性免疫におきましても抗原原罪が起こりうると言う解釈でよろしいでしょうか?また御回答いただけますと幸いです。
私もブーストは、デルタ株対応まで待ちたいと思います!どうぞよろしくお願い申し上げます。

(以上、ありがとうございました)

免疫原罪が問題になるのは、すごく似通ったウイルス(たとえばインフルエンザのように毎年違う株が流行する)に感染した時に、効かない前の免疫が上がってきてしまって、ナイーブから新たな脅威に対応するものができにくい現象です。

細胞性免疫の場合、誰かが作った免疫逃避ウイルスがもしあったとしても、それが、別の人にとっても免疫逃避であるとは限りません。それほど人間の多様性は広い。

抗体が感染防御に働くのですけど、様々な抗体の中でウイルスを中和できる抗体と言うのは限られてます。コロナの場合、抗S抗体は感染防御に働くことができますが、抗N抗体では感染阻止はできません。

だから、抗体からの逃避ってのはわりとウイルスにとっては限られた変異で成し遂げることができます。

一方で、CTLからの回避は、S,Nの他にもorf1abに何箇所か、CTLエピトープになりえる場所があります(HLAによって異なりますが)。それら全てから逃げることはウイルスにとっては、かなり時間がかかります。HIVのように体内でずっと進化し続けるウイルスの場合、何年か経過するとCTL逃避で病状が悪化することはよくあるのですが、短期で終わる急性感染症であるCOVID-19の場合、細胞性免疫から逃げる必要をウイルスは感じてないです。と言うか、それ、簡単にはできませんし。

だから、私はSARS-CoV-2の免疫原罪については抗体だけで論じたいと考えています。