11663. いいなじゃないよ19

オートファジーではHLAにはのりません。特にclass I分子(細胞性免疫の抗原提示分子)には乗りません。

細胞内抗原タンパク質(例えばウイルスが感染した細胞内で合成したウイルスタンパク質)は種々のタンパク質分解酵素をもつプロテアソームでペプチドに分解されます。抗原ペプチドは小胞体膜に存在する抗原処理関連トランスポーター(TAP) により小胞体内に運搬されてクラスI分子に結合し、ゴルジ体を経て細胞表面に運ばれます。

https://ruo.mbl.co.jp/bio/product/allergy-Immunology/article/nonself%E2%80%90discrimination.html/

HLAにはclass Iとclass IIがあって、CD8T細胞(キラーT細胞)と会合するのはclass Iです。

class I分子は、『細胞内で合成された』タンパク質をペプチドとして分解して提示するのです。class IIは外から取り込んだタンパク質でも載せてくれるようですけど。

だから、外からタンパク質を加えるだけの不活化ワクチンでは、細胞性免疫が作られないのです。

SARS-CoV-2に感染した場合、ワクチンでも生ワクチンあるいはウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ)の場合では、細胞の中でSタンパク質が新しく作られるので、細胞性免疫が誘導されます。

mRNAワクチンの場合、細胞内(主に腋窩リンパ節の樹状細胞やマクロファージ)に取り込まれたmRNAからタンパク質が合成されますので、細胞性免疫を誘導することができて、これが中和抗体値が下がったために感染防御効果が薄れても、まだ「重症化阻止」に効いていると考えられます。

知ったかぶりして、テクニカルタームを使えば、人を煙に巻けると思っていると自分が浅い知識しか持ってないことを露呈しますよ。

ついでに言っておくと、インターフェロンはエンドソームにあるTLR7がSARS-CoV-2のviral RNAを認識することで発動します。

van der Made CI, Simons A, Schuurs-Hoeijmakers J, et al. Presence of genetic variants among young men with severe COVID-19. JAMA. 2020; 324(7): 663- 673.

オートファジー関係ないんですよね、残念ながら。