11290. 血管内皮細胞への感染

昨年2020年はCOVID-19で数多くの論文がNatureなどに掲載されました。最初は症状などを示した論文が中国から多数出てきて、無症状でも感染性があるとか、咽頭スワブだけでなく唾液でも検査が可能とか、もろもろ。

次に欧米に感染が拡大して、中国国内は国家の威信をかけて押さえ込み論文も出なくなり、中国発ではopinionやreviewが増えてきました。発熱を診ない眼科医さんがopinion論文を書く書くと騒いでいたのも、この頃です。(結局、オルベスコの吸入はむしろ増悪させるって結果が出たのですが)

同時に欧米からは多数の検体(剖検を含む)を利用した研究が盛んに行われるようになり、病態の解明が進んで行きました。コロナのつま先が話題になり、血管炎あるいは血栓症が致命的であることがわかって臨床ではヘパリンが使われるようになり、救命率はグッと上がりました。

サイトカインストーム(免疫暴走)が着目され、臨床でステロイドも使われるようになり、それに重ねてIL-6(サイトカインの1つ)を阻害する薬が使われるようになってきて治療法(対症療法)がほぼ確立した今に至ります。

11285. エクソソーム を理由にする「反ワクチン」の人たちが血管内皮細胞への攻撃って言ってるのは(ACE2は血管内皮細胞にも発現してますので当然感染すると当初は考えられ)論文を根拠にしてのことだと思いますが、ヘパリンで血栓症を止めた途端に誰も血管内皮に触れなくなりました。血管内皮に感染するなりSタンパク質が血管内皮を壊すなりなんなりがあるのだとしたら、ヘパリンで血栓を作らなくしても微妙に危険は残り続けるはずなのですが、すっかり解決されてしまいましたから。

この手のことは免疫の世界ではよくあることで。

免疫学者は「理論」を立てるのが大好きなので、自分が思いついた新しい仮説を証明するデータを無理やりにでも集める癖があります。それがNatureに掲載されても実は無理筋だった場合、追試が不可能です。しかし追試が不可能で同じことを再現できないって段階でもreviewerがNatureを否定できないので、その枝はそれ以降、誰も進めなくなる誰も研究できなくなる「行き止まり領域」が生まれます。スタープレーヤーは数々のヒットを飛ばす陰で、いくつもの焼け野原も作って行く。焼け野原なのか、それとも掘り当てた水脈なのかは、その後、追随する論文の数で見分けることが出来ます。

(STAP細胞は誰も再現が出来ませんでしたが、iPS細胞は多くの人が同じようにやれば作れるの違いです)

血管内皮感染説は、COVID-19領域のdeadendだと私は思っています。

もしもSARS-CoV-2が血管内皮に感染できるのだとしたら、もっと血液中にウイルスは検出されてもいい。もっと血管が破れてエボラ出血熱みたいになってもおかしくないのです。

9694. 脳出血も脳梗塞も両方あります

9630. 直接の因果関係は不明だけど

この2つは以前に書いた記事だけど、今では、所詮は肺炎でのサイトカインストームの結果できた血栓が抹消に飛んだ事による局所の破綻に過ぎないと、私は解釈しています。

10923. コビナビさんが答えるべき2

宮沢さんが最初にエクソソーム仮説を言い出したとは思いません。でも、ワクチンで血管がやられるって言い出したのは宮沢さんかも知れません。

8632. ADAMTS13

血栓ができやすくなる機序もある程度は、ウイルスが直接やってることではなく、生体側の過剰免疫反応=サイトカインストームで説明がつくかも知れないというのが今の私の認識です。サイトカインの中でも好中球を呼ぶケモカインがあると、好中球が肺の中で自爆して(NET)そこで血小板が凝固する方に傾くらしい。(ここはまだ勉強不足です。)また、サイトカインは血管内皮細胞にも作用するらしい。

ワクチン接種で過剰免疫反応が起きて、血栓症&出血が副反応として見えるのは説明が出来ますが、2年後に血管内皮を攻撃して全身の血管が破れて死ぬってのは、流石の悪魔でも賛同しにくいです。過剰免疫反応は接種後数日で治りますから。

https://www.nature.com/articles/s41591-020-0968-3

Endothelial cell damage and thromboinflammation

Endothelial cell damage by virtue of ACE2-mediated entry of SARS-CoV-2 and subsequent inflammation and the generation of a prothrombotic milieu are other proposed pathophysiological mechanisms of COVID-1929,30,31. ACE2 expression has been demonstrated in arterial and venous endothelium of several organs29,32, and histopathological studies have found microscopic evidence of SARS-CoV-2 viral particles in endothelial cells of the kidneys31 and lungs29. Infection-mediated endothelial injury (characterized by elevated levels of von Willebrand factor) and endothelialitis (marked by the presence of activated neutrophils and macrophages), found in multiple vascular beds (including the lungs, kidney, heart, small intestine, and liver) in patients with COVID-19, can trigger excessive thrombin production, inhibit fibrinolysis, and activate complement pathways, initiating thromboinflammation and ultimately leading to microthrombi deposition and microvascular dysfunction31,33,34,35,36. Platelet–neutrophil cross-communication and activation of macrophages in this setting can facilitate a variety of proinflammatory effects, such as cytokine release, the formation of neutrophil extracellular traps (NETs), and fibrin and/or microthrombus formation37,38,39,40. NETs further damage the endothelium and activate both extrinsic coagulation pathways and intrinsic coagulation pathways. They were detected at higher levels in patients hospitalized with COVID-19 in a study from a large academic center in the USA (50 patients and 30 control participants), with a ‘pro-NETotic state’ positively correlating with severe illness41. Hypoxia-mediated hyperviscosity and upregulation of the HIF-1 (hypoxia-inducible factor 1) signaling pathway subsequent to acute lung injury may also contribute to the prothrombotic state42. Finally, direct coronavirus-mediated effects may also lead to an imbalance of pro- and anti-coagulant pathways43,44. Small case reports and case series have demonstrated the presence of fibrinous exudates and microthrombi in histopathological examinations in patients with COVID-1944,45,46,47,48.

内皮細胞の損傷とトロンボインflammation

ACE2を介したSARS-CoV-2の侵入による内皮細胞の損傷と、それに続く炎症および血栓促進環境の生成は、COVID-1929,30,31の他の病態生理学的メカニズムとして提案されている。ACE2の発現はいくつかの臓器の動脈および静脈内皮で確認されており29,32、病理組織学的研究では、腎臓31および肺29の内皮細胞にSARS-CoV-2ウイルス粒子が存在することが顕微鏡的に確認されている。COV患者の複数の血管床(肺、腎臓、心臓、小腸、肝臓など)で見られた感染による内皮傷害(von Willebrand因子の上昇を特徴とする)と内皮炎(活性化した好中球とマクロファージの存在を特徴とする)。COVID-19患者の複数の血管床(肺、腎臓、心臓、小腸、肝臓など)で見られ、トロンビンの過剰産生を引き起こし、線溶を阻害し、補体経路を活性化することで、トロンボイン炎症を起こし、最終的に微小血栓の沈着と微小血管機能障害を引き起こす31,33,34,35,36。このような状況では、血小板-好中球のクロスコミュニケーションとマクロファージの活性化により、サイトカインの放出、好中球細胞外トラップ(NET)の形成、フィブリンおよび/または微小血栓の形成37,38,39,40など、さまざまな炎症性作用が促進される。NETsはさらに内皮を傷つけ、外因性凝固経路と内因性凝固経路の両方を活性化する。米国の大規模なアカデミックセンターで行われた研究(患者50名、対照群30名)では、COVID-19で入院した患者でNETsが高レベルで検出され、「プロNETotic状態」は重症度と正の相関があった41。また、急性肺損傷後の低酸素症による過粘度とHIF-1(hypoxia-inducible factor 1)シグナル伝達経路のアップレギュレーションも血栓促進状態に寄与している可能性がある42。最後に、コロナウイルスを介した直接的な影響も、血液凝固促進経路と抗血液凝固経路のバランスを崩す原因となる可能性があります43,44。COVID-1944,45,46,47,48の患者の病理組織学的検査では、線状の滲出液と微小血栓の存在が、小規模な症例報告やケースシリーズで示されている。

怪しげな説というのは、素人の伝言ゲームを通ることによって変性します。

その変性を経る前のオリジナルを叩く方が、科学的には正しい議論ができると思うんですよね。曲がりなりにも元教授とか現役の開業医とか、そんな人たちを、なぜ、媚びナビは相手にしないのか?いつも歯痒く思います。

素人相手に高圧的に、というよりも無知を嘲笑って仲間内で蹴り合って楽しんでるようにしか見えませんので何も発展も気づきも得られない。聞くだけ時間の無駄に。