11261. 論文の読み方

いい機会だから説明しておきますね。

抗体の測定方法には何種類もあるって話は前に書きました。

11127. 中和抗体の測定法

11174. 答えを書いておきますね

結合だけを見るイムノクロマト法(バンドが見える奴)、ELISA法(検査室で数字が出る奴)は、どれもこれも、善玉も悪玉も一緒に見てます。

謎の方法で中和抗体を測定できますってやつは、こちらの論文で見てる抗RBD抗体の測定ってやつですけど、これとても、本当の中和活性を見てるわけじゃありません。でも、全体の抗S抗体を測定してるよりも、善玉らしきものに特化した測定法ですって意味です。

Notably, our longitudinal data contradict a report of longitudinal anti-RBD IgG antibodies in 34 persons who received mRNA-1273 vaccination,(54) which described a “slight expected decline” in anti-RBD antibodies over 119 days after vaccination that was marginally greater in persons older than 55 years. The decline we observed over a similar time interval is more rapid, and we saw no effect of age but an apparent influence of the mRNA vaccine administered. However, their reported concomitant reduction in neutralization activity was steeper, falling by approximately 10-fold over 119 days, which agrees with our findings of antibody quantities and neutralization activities. Whether the difference in antibody kinetics observed in that report compared to our data is due to methodologic differences (anti-spike versus anti-RBD antibodies) is unclear, but the dropping antibody levels we observe would be more consistent with the falling neutralizing activity observed in both studies.

この論文のDiscussionのところに、書いてあった54番の論文が、mRNAワクチン接種後も抗体は半年以上保つようだって根拠に使われる論文です。有名なNew England Journal of Medicineに出ています。泣く子も黙るエビデンス。

54Widge, A. T.; Rouphael, N. G.; Jackson, L. A.; Anderson, E. J.; Roberts, P. C.; Makhene, M.; Chappell, J. D.; Denison, M. R.; Stevens, L. J.; Pruijssers, A. J.; McDermott, A. B.; Flach, B.; Lin, B. C.; Doria-Rose, N. A.; O’Dell, S.; Schmidt, S. D.; Neuzil, K. M.; Bennett, H.; Leav, B.; Makowski, M. Durability of Responses after SARS-CoV-2 mRNA-1273 Vaccination. N. Engl. J. Med.2021, 384 (1), 80– 82,  DOI: 10.1056/NEJMc2032195 [Crossref], [PubMed], [CAS], Google Scholar

著者のリストにある、mRNA-1273 Study Group と言うのは、モデルナの治験をやった人たちのことです。Conflct of interest ありまくりの論文の可能性があると色眼鏡で見てもいい著者名です。

彼ら、どれだけの規模の治験をやったか?3万人ですよね。プラセボと比較しても1万人はいるはずなのですが、追跡した結果を出したのが、たったの34人。なぜか?こんなに少ない。

ここに、ある程度のデータの「恣意的」な選別があってもおかしくないと私は感じます。

リアルワールドでの結果の方が、治験論文よりも正しいってことですから、日本でワクチン接種した医療従事者たちの抗体の落ち方を調べている結果が出てくると、ぎょっとするほど早いかもしれません。

だから、みなさん、「ワクチンしてもマスクを忘れずに」です。

減るのは常識。問題はいつの時点で、「十分な量の抗体」から下に落ちるか?です。

世間でのウイルス感染者の比率が高い諸外国と、低い日本では落ち方のカーブも異なるでしょう。

どの程度が「十分な量か」は相手となる変異株によって、吸い込むウイルスの量によって異なるでしょう。

だから私が言いたいのは「ワクチンしてもマスクは続けよ」です。会食相手の限定を。

末梢のプラズマ細胞が消えても、リンパ節の濾胞の中にメモリーB細胞はいる。ある意味、当たり前のことでしかないし、それが確認されたって言っても、だからprotectiveとは限りません。対応してメモリーが抗体を作ってくれても感染防御には「実弾」としての抗体が減ってると弾幕不足で被弾してしまうし。果たして抗体があったとしても変異型を抑えることができるのか?保証はありません。

小説家先生は論文を書かないから、論文の読み方が甘い。

follow-upたかが12weekで終生免疫とか、追加接種を必要としないなんて、願望の垂れ流しの文言はやめれ。

公衆衛生当局は、ワクチン会社のプロパガンダ論文に惑わされることなく自国の統計に基づき、先を読んで動く。査読に時間がかかって現実に遅れをとってしまう論文よりも、このようなパンデミックの時には正しい情報を出してくれる。

イスラエルでとうとう接種済の方が感染者の多くを占めるようになってきた。