10288. 風邪コロナに対する抗体@くつ王ジャーナル

これが本当ならADEの心配はあまりないことになる。

もし子どもの頃のヒトコロナウイルスへの感染が新型コロナの重症化を防いでいるとすれば、小さな子どもと頻繁に接している成人でも新型コロナの軽症化がより頻繁に起こる可能性があるのではないか、という仮説のもとにドイツで調査が行われました。

新型コロナから回復した1186人のうち、6.9%が10歳以下の子どもと頻繁かつ定期的に接しており、23.2%が自分自身に小さな子どもがいたとのことでした。

集中治療をうけ重症化した患者では、これら小さな子どもと頻繁に接触した人が少なかった、とのことです。

つまり小さな子どもと接する機会が多い人の方が重症化しにくかった、ということになります。

アメリカの健康保険の記録を解析したところ、過去1年間(新型コロナが流行していなかった2019年3月〜2020年2月)までの間に、風邪(急性副鼻腔炎、気管支炎、咽頭炎など)と診断された人は、そうでない人と比べて2020年3月から7月までの間に新型コロナと診断されるリスクが20%以上低かった、という研究もあります。

風邪の原因はヒトコロナウイルスだけではないので、風邪と診断された人たちの中にはヒトコロナウイルス以外のウイルスに感染した症例も多く含まれていると考えられますが、約10-30%はヒトコロナウイルスによるものであり、ヒトコロナウイルスによる風邪を引いた人で新型コロナに対する交差免疫を示したことから、新型コロナの感染リスクが下がったのではないか、という結論になっています(なお、18歳以下の若い世代ではこの影響は見られなかった、とのことですが、これは病院で診断されているかどうかにかかわらず若い世代は常にヒトコロナウイルスを含む風邪の病原体に暴露しているためではないか、と考察されています)。

さらに、ヒトコロナウイルス4種類のうち、特に新型コロナウイルスに近縁であるOC43とKHU1に対する抗体を調べて重症化との関連を見た研究もあります。

新型コロナウイルス感染症患者 60 例を対象にOC43抗体とHKU1抗体を調べたところ、重症患者ではOC43抗体・HKU1抗体の陽性者が少なく、軽症者では抗体陽性者が多かった、とのことです。

このことから、ヒトコロナウイルスOC43、HKU1に感染し免疫のある人は、新型コロナウイルスに感染した場合も重症化しにくい可能性がある、と結論されています。

Less severe course of COVID-19 is associated with elevated levels of antibodies against seasonal human coronaviruses OC43 and HKU1 (HCoV OC43, HCoV HKU1)

https://doi.org/10.1016/j.ijid.2021.02.085

Regarding seasonal coronaviruses, this assay measures IgG antibodies directed against the nucleocapsid protein (NP) of HCoV 229E, NL63, OC43 and HKU1. With respect to SARS-CoV-2, NP-specific and spike protein (S)-specific antibodies directed against the S1 subunit and the receptor binding domain (RBD) were determined.