8566. 田口文夫先生からの提言

時期的に初期の頃に、出しておられたのを山中先生のサイトから見つけました。

田口先生は感染研でコロナを担当しておられた「真のコロナ学者」です。

冬になる前に、もう一度、気を引き締め直すために「コロナ学者の中でも甘くない見方」をする人もいるanother opinionを掲載しておきます。

(私が考える新型コロナの感染力は、ここまで強くはなく、電車のつり革などの接触感染よりも、エアロゾル感染対策の方が必要と考えます。)

https://www.covid19-yamanaka.com/cont2/main.html

コロナウイルス研究者による提言

長年にわたりコロナウイルスの研究を行ておられる田口文広先生からの提言です。新型コロナウイルス感染を収束させるためには、感染者(特に無症候の方)の同定と隔離が重要であることを説明されています。私も、無症候者や軽症者のための専用施設を整備したうえで、安全な検査体制を強化することが必須と考えています。

田口先生の提言

(前略)

マウスコロナウイルスはマウス動物実験に様々な影響を及ぼし、実験動物マウスでは 排除すべき第一の病原体である。感染力が極めて高く、実験室内一匹のマウスに感染が認め られると、瞬く間に同飼育室内の全てのマウスに感染する。その対処に誤ると、他の飼育室、 或いは実験動物施設全体に感染が拡大し、全てのマウスを殺処分しなければ、再現性のある 動物実験はできない。また、感染により抗体が陽性になっても、マウスの抵抗力の低下(例 えば、免疫抑制剤の投与や妊娠)により、感染性のウイルスが排泄される。即ち、一度感染 すると、終生ウイルスを持ち続ける持続感染に陥る。

この様なコロナウイルス特有の感染様式(強い感染性、不顕性感染、持続感染の可能性)を 理解すれば、COVID-19 感染拡大を制御する第一の手段はワクチンだが、現段階では、ま だワクチンはない。この状況で、感染拡大を少しでも抑えることができるのは、感染者の特 定と隔離である。COVID-19 は上記動物コロナウイルスと同程度の感染力があると推測さ れ、感染者隔離以外に感染拡大を阻止することはできないと考えられる。不顕性感染者がい ることは、その人たちが触れた全ての物、例えば、電車内の吊り輪、手すり、スーパーマー ケットの商品の包装などが汚染している可能性があり、これらを通して感染拡大すること は、上の PED のケースと同様である。

COVID-19 専門家委員会でこのコロナウイルス特有の感染について議論されなかったであ ろうか? ワクチンのあるインフルエンザとは、対応が全く異なって然るべきである。 各国が必要以上と思われるくらいの厳重対策をとっているのは、このようなコロナウイル ス特有の感染様式を理解した結果ではないかと考える。

COVID-19 での犠牲者は殆どの場合、高齢者や基礎疾患を持つ人である。若い健常者は無 症状、軽症化で終わることが多いが、そのような無症状(不顕性)感染者を隔離することが なければ、COVID-19 は限りなく続くように思われる。感染者が存在するかぎり、非常事 態終了宣言はなく、有効なワクチンができるまで、限りなく続く。また、ワクチンが全能で はなく、変異株が出現し、大きな問題となることは、PED や鶏コロナウイルスでは良く知 られている。

現時点で早急になすべきことは、感染者の特定、隔離である。無症状者や軽症患者は他国で 実施されているように、医師の監督下で特定の宿泊施設に収容し、重症患者は指定病院での 治療である。国や東京都が打ち出している「外出自粛」では、強制力がなく、感染拡大の阻 止は殆ど不可能と思う。

私が強調したいのは、COVID-19 の感染拡大を抑えるには、感染者の特定、隔離が最も有 効で、現段階では唯一の手段である、ということである。都市のロックダウンはかなり長期 間(少なくとも潜伏期間以上)行わないと感染防止効果はない。 現在、東京都内は、人が集う場所はどこでも感染し得る状態で、基礎疾患を持つ高齢者が安 心して過ごすことは出来ない。

田口文広: 獣医師、元大学教授、元感染症研究所室長、コロナウイルス研究歴 45 年

(以上、引用)