8210. クロロキンにトドメ

元々、心臓への副作用があるから、危ないとされてたクロロキン。

6934c.QT延長症候群

Natureでトドメですね。普通に考えれば、TMPRSS2を使うのは細胞膜から入る場合で、エンドソーム経路の方しか、エンドソームの酸性化を阻害する薬剤に意味はないってことだから、Natureに載るほどのことか?とも思うけど。

コロナウイルス:クロロキンはSARS-CoV-2によるヒト肺細胞への感染を阻害しない

2020年9月24日 Nature 585, 7826 doi: 10.1038/s41586-020-2575-3

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされ、そのパンデミック(世界的大流行)による死亡者数は、世界中で78万人以上に上っている(2020年8月20日時点)。抗ウイルス薬を迅速に開発するために、関連のない疾患の治療に使われていた薬剤が、現在COVID-19治療用にリポジショニングされている。クロロキンは抗マラリア薬の1つで、アフリカミドリザルの腎臓由来の細胞株であるVeroにおいてSARS-CoV-2の拡散を阻害することから、COVID-19の治療に使われている。今回我々は、SARS-CoV-2の肺細胞への侵入を活性化する細胞性プロテアーゼTMPRSS2を発現するように操作すると、Vero細胞のSARS-CoV-2感染はクロロキンに非感受性になることを示す。さらに我々は、TMPRSS2を発現しているヒト肺細胞株Calu-3において、クロロキンはSARS-CoV-2の感染を阻害しないことを報告する。これらの結果から、クロロキンは、肺細胞では働いていないウイルス活性化経路を標的としていて、患者内や患者間でのSARS-CoV-2の拡散を防御できないと考えられる。

SARS-CoV-2感染に対するヒドロキシクロロキンの使用

2020年9月24日 Nature 585, 7826 doi: 10.1038/s41586-020-2558-4

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、急速にパンデミック(世界的大流行)となり、この疾患の治療に使用できる抗ウイルス薬やワクチンはまだない。いくつかの臨床研究が進行中であり、in vitroで抗ウイルス効果を示したリポジショニング薬(repurposed drugs)の有効性が評価されている。これらの候補の中で、ヒドロキシクロロキン(HCQ)は、COVID-19を引き起こすウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した世界各地の数千人に投与されてきたが、HCQがCOVID-19の治療に有効であることを示す決定的な証拠はない。今回我々は、in vitroおよびSARS-CoV-2に感染させたマカク属のサルにおいてHCQの抗ウイルス活性を評価した。HCQは、アフリカミドリザルの腎細胞(Vero E6)では抗ウイルス活性を示したが、再構築したヒト気道上皮モデルでは活性が認められなかった。我々は、マカク属サルでウイルス量がピークとなる前後に、HCQ単剤あるいはアジスロマイシン(AZTH)との併用といったさまざまな投与戦略をプラセボ投与と比較して検討した。HCQ単剤およびHCQとAZTHとの併用はどちらも、調べたどの組織でもウイルス量に有意な効果を示さなかった。HCQを曝露前の予防薬投与として使った場合にも、SARS-CoV-2の感染に対する防御効果は見られなかった。我々の知見は、単剤でもAZTHとの併用でも、ヒトにおけるCOVID-19治療の抗ウイルス薬としてHCQの使用を支持しない。

これと逆の関係にあるのは、カモスタット・ナファモスタットなどです。TMPRSS2を阻害する。これはTMPRSS2以外のプロテアーゼ阻害にもなるから、シグナルを止める効果も加味されてるから、効く可能性はあると思うんだけど。