7971. 中野剛志(評論家)

K値の中野先生ではないようです。

ハンマー&ダンスの概念を知らぬ専門家wって恥ずかしいことも分からないのね。だって「自称」だもん。

ハンマーを出し続けるとは誰も言ってないのにねぇ。政府や西浦先生たちの意図を知らずに大騒ぎした宮沢先生の総括こそ、必要だと思う。

維新に飲まれた御用学者の。

中野:では、藤井氏がどうこうというよりは、現実から目を逸らそうとする言説の悪質さについて、具体的に論じることにしましょうか。これは私信でのやりとりを含むので、敢えて名前は伏せて「某氏」としておきますが(ちなみに、この人は感染症や公衆衛生の専門家ではないです)、この某氏は、1~2月くらいに新型コロナが騒ぎになったときに、「これはインフルエンザみたいなものだから心配いらない」と言っていた。「欧米は経済活動を規制していない。日本人が騒ぎ過ぎだ」と。たしかに、その時点では欧米はロックダウンをしていなかった。もっとも、その直後、欧州諸国は一斉にロックダウンに向かいましたが。その当時、某氏がコロナ対策として主張したのは、いわゆる「集団免疫戦略」でした。つまり、コロナなんか大した病気じゃないから、普通に活動して、むしろ積極的に感染して免疫を獲得しようという戦略です。そうすれば、経済を止めないで済むというのです。イギリスは最初にこの手法をとっていたが、感染者数が急増し、また科学者から批判をされたので、方針を改めてロックダウンした。集団免疫戦略の誤りに気付いたのですね。ところが、このイギリスの方針転換は、某氏によれば「ポピュリズムだ」なのだそうです。つまり彼の頭の中では、科学を知っている人間は集団免疫路線を選ぶのに、コロナに過剰反応してパニックになった大衆がロックダウンを求めた。イギリス政府は、冷静な科学的判断よりも、大衆の要求に応じた。だからポピュリズムだということになっている。

適菜 なるほど。

中野:その某氏はデータを見ても、重症化するのは年寄りだけだから、年寄り以外は普通の生活をすればいい、むしろ積極的に活動して感染しろと言っていました。

佐藤:ウイルス学者の宮沢孝幸さんも、同じような内容の主張をしていましたね。

中野:その某氏は、「世間の素人はなにも知らない。俺たちは科学者だから知ってるんだ」と言って悦に入ってたわけですよ。「集団免疫を恐れる者は素人だ。新型コロナに警鐘を鳴らすのは、大衆の無知に付け込んで煽動するポピュリズムだ」と。

適菜:その某氏はこうしてレッテルを貼るわけですね。

中野:その某氏の説によると、感染症対策というものには、経済活動の自由をある程度許容して集団免疫を獲得する戦略と、ロックダウンによってウイルスを撲滅する戦略の二つがあるのだそうです。そして、本来は前者の戦略のはずだった。ところが、そこへ尾身先生や西浦先生たちが入ってきて後者の戦略にしてしまったと言うのです。しかも、尾身先生らは「ロックダウンで新型コロナを撲滅できると信じている」とか「感染リスクをゼロにしようとしている」とか言って批判した。

適菜:違いますよね。感染リスクをゼロにするのは不可能。

中野:そう。専門家会議の尾身先生たちは、実際には感染者をゼロにしようとしていたのではなくて、医療崩壊を防ぎ感染をコントロールできる範囲内に感染者数を落とそうとしていた。新型コロナを撲滅しようとしていたわけではないのですよ。それは、尾身先生や押谷先生の発言をテレビで聞いていれば、素人の私でもよく分かりました。だから、私は某氏にそのことを指摘したのです。ところが彼は、尾身氏や西浦氏らは新型コロナを完全に撲滅させようとしていると言い張り、その前提で執拗に批判を始めた。要するに藁人形論法をやったわけですよ。

中野:さらにひどいのは、某氏は、自説の集団免疫戦略にはリスクがあることもちゃんと承知していたということです。それは、感染者が一時的に増えて、死者が増えるというリスクです。つまり、医療崩壊のリスクですね。しかし、某氏は、病院に患者が殺到したら、高齢者の救命を諦める「命の選択」をすればいいと言っていました。「年寄りは、死ぬもんだ。自然死と同じようなものだから、気にする必要はない」というのです。「だから、医療崩壊なんか気にしなくていい」という趣旨のことまで言っていた。ところがですよ、プライベートの場ではそういうことを言っておきながら、SNSなど表の場では「医療崩壊は防がねばなりません」とか「高齢者は徹底的に守らなくてはなりません」などと発言しているのです。

適菜:ひどい話ですね。

中野:高齢者や基礎疾患をもつ人がより重症化しやすいのは、政府や専門家会議も、もちろん知っていて、特に気を付けるよう呼びかけていました。(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610566.pdf)。
とはいえ、高齢者等だけを徹底的に守ることは、実際問題として難しい。感染者が増えるほど、高齢者等への感染機会は拡大し、高齢者等を守ることはそれだけ難しくなるでしょう。しかも日本には、65歳以上の高齢者は人口の3割もいる。地方によっては5割になるような村もあるでしょう。だから高齢者等だけを徹底隔離するといったって、限界がある。某氏が模範としていたのはスウェーデンですが、スウェーデンも高齢者を重点的に保護しようとして失敗しました。以上のことを私は某氏に指摘しましたが、彼は一切耳を貸そうとはしませんでした。なぜなら本心では、年寄りは死んで当然と思っているからです。実際、私が「あなたが模範とするスウェーデンでは、死者数が非常に多いが」と指摘したら、彼の返事は「それは、高齢者です」。しかし、世間では絶対にその本心を言わない。二枚舌です。ここが連中の危険なところです。

佐藤:「高齢者や基礎疾患のある人には犠牲になってもらいましょう! もともと体力がないんだから! そのほうが社会全体の健康レベルも上がります!」と公言するのならまだ分かる。ただしその場合、経済被害についても「中小企業にはつぶれてもらいましょう! もともと経営体力がないんだから! そのほうが市場も活性化します!」という話になります。