7549. 自然免疫がない?

永江くんは変なことを言っている。

彼の言ってる自然免疫って何よ?「自然抗体」ってのも、彼は言ってたけどさ。

新型ではない風邪コロナあるいは幻のSARS-Xに対する抗体が過去の既往から作られていて、それの交差反応で新型コロナに対する防御も可能と言うのならば、それは「既存抗体」の範囲内。獲得免疫が発動しているに過ぎない。インフルエンザが多少の型違いでも軽症化するメカニズムと同じ。似たようなウイルスになんども何度も感染するうちに交差反応の守備範囲が広く強くなる。

永江くんの言ってる「自然抗体」つまり旧型のコロナに対する抗体の保有率は、おそらく日本人も欧米人も、そんなに変わらないと思われるのは、初期の頃の、中国の不出来な抗体検査キットが、相当の交差反応を検出してたからね。

本来の自然免疫は、獲得免疫の前段階に発動するインターフェロン応答を指す。病原体をパターン認識( RNAウイルスの場合、複製の過程で生じるdouble strand RNAを非自己としてRIG-I やMDA5などの分子が認識)し、インターフェロンを産生することで、周りの細胞を抗ウイルス状態にすると共に、IL-1betaなどの発現により「獲得免疫」へのスイッチも押す。

innate immunityと呼ばれるこの機構は、すべての人に備わっている。「自然免疫がない」なんて、ノックアウトマウスのようなことを言いなさんな、紛らわしい。

BCG仮説は、この、すべての人に備わっている機構を「trained immunity」と呼んで強化する可能性を言っている。BCGの本来の目的は結核の予防だから、目的外の新型コロナや他の感染症に対する効果をオフターゲット効果と呼ぶ。

自然免疫innateは獲得免疫acquiredの前に働く免疫機構として、もはや常識の域に達しているけど、trainedは「定説」としては、まだ認められてない「仮説」です。

新型コロナに対するオフターゲット効果も、疫学から「推測」はされていても、証明には至っていません。

私はBCG-tokyo172株の信奉者で、trained immunityでBCGの効果が説明できるのならば嬉しいと思うけど、それだけに頼ることには警告を鳴らします。

なぜなら、自然免疫は「閾値」が低いから。ある一定量のウイルスに暴露されたら、普通に感染するから。

日本人特有のマスク習慣や、ソーシャルディスタンス、夜の街を敬遠する気持ち、そんなものが失われてしまえばBCGによる「お守り効果」も失われてしまう。神頼みってのは、自助努力の上にしか成り立たないんのと同じ。

免疫学を知らない素人が、知ったかぶりして混乱を広げるの、やめてくれないかな。

少なくとも自然免疫があるないって言い方だけは、しないでくれないかな? 強い弱いって言えば済むことなんだからさ。

旧型コロナに感染の既往があり、メモリーがある方は、新型コロナに感染した時には刺激を受けて、一旦消えていても交差反応で旧型コロナに対する抗体IgGも上がってきます。防御効果はないけど、重症化は防ぐ可能性はあります。抗体が下がってくると、かえって重症化するADEの可能性もあります。詳しいことは、まだ、わかってないのが正確なところかな。

重症化しない人だけが生き延びる「種の淘汰」ってのは、過去になんども起きてるわけですが、自分が生きている時代に目の当たりにするとは思ってませんでした。