7535. 宮沢先生に読ませたい

逃げられない前線の感覚を聞いて欲しいのですよ。

紙一重だった医療崩壊

――新型コロナウイルス感染症で「日本は大変なことになるかもしれない」と実感を持ったのはいつ頃ですか?

うちの病院でもダイヤモンド・プリンセス号の対応をしており、重症患者さんを受け入れたり、スタッフを派遣していました。それが一段落したのが2月終わりから3月頭ごろ。

「これからもポツリポツリと患者さんは入ってくるだろうけど、それを診ていけば良いかな」

くらいの軽い気持ちでいたのです。ところが、感染者は水面下でドンドン広がっていました。

海外での流行を受けて、2月から3月にかけて日本に戻って来られる海外滞在者の方がすごく増えていたのです。結果、日本に感染者が入ってきて、我々が知らないうちに市中でかなり広がっていた。しかもそのリンクが追えず感染者の数がワッと増えだした。3月中旬くらいです。

その頃、ニューヨークとかミラノの様子が映像で流れ出しました。「何なんだ、これは」と。そんな悲惨な状況になってしまうことにショックを受けました。そんな中、西浦さん(北海道大学の西浦博教授)たちのチームから、日本でも最悪の場合、感染者数がさらに急増しそうだ、というシミュレーションが出た。実際に、ウチの病院にも新型コロナの疑いで外来にいらっしゃる患者さんがドンドン増えて、陽性者が毎日のように出る。

「おかしいですよ。大曲さん、何か起こってますよ」

スタッフがこう言い出したり、自分はコロナじゃないかとパニックになった人から相談の電話が毎日たくさん来るようになりました。

「あっ、やばい。これはとんでもない状況になりつつある」

と実感せざるを得ませんでした。

それまでは日本に入ってくる感染者をその都度隔離をして押さえ込んでいけば良いだろう、くらいに思っていたのです。封じ込められると楽観的に思っていたのに、実際は裏で感染が一気に広がっている。その先に何が起こるか?ということはニューヨークやミラノの映像を見れば一目瞭然でした。

――3月25日の都知事の会見で「2割の方は確実に入院が必要で、全体の5%の方は集中治療室に入らないと助けられない」と大曲先生がおっしゃり、その発言がマスコミ各社に取り上げられ話題になりました。

テレビの記者の方が水を向けてくださったので、「そういえばこの病気がどんなものかと語ったことないな」と思い淡々と話したつもりだったのですが、これまで具体的な病状を専門家が話したことがなかったようで、みなさんにとってすごく印象深かったみたいですね。

私の話は小池さんの答弁の“刺身のつま”みたいなものなのですが、あの話を取り上げていただいて、若い人たちが

「やっとこの病気の深刻さがわかりました」

って言ってくれましてね。会見に出た甲斐はあったなと思いました。

――4月7日に緊急事態宣言が出されましたが、その直前の状況はどうだったのですか?

あの時期、みなさんが3密を避けたり自粛してすごく手伝ってくださっているのは伝わってきていて「ありがたいな」とは思っていたのですが、一方で、街中に出かけていって宴会したり、パーティーをしてクラスターが起こる、ということも続いていました。

「こんな調子だと絶対押さえられない。まだみんな怖さに気づいていない」

というすごい焦りと、苛立ちがありました。ですから緊急事態宣言が出される前の一週間、僕はマスコミの取材をたくさん受けました。このままみんなの気が緩んでいると、日本もニューヨークやミラノみたいになる。ICUから患者さんが溢れて、そのときは人がバタバタ死ぬときだ……と。そういう状況にはなりたくないし、見たくないじゃないですか。だから、もっと力を注いで伝えなきゃ、と。

――そこまで紙一重だったのですね。引き締まらなければ日本もニューヨーク、ミラノになっていた?

緊急事態宣言の決断が遅くなっていたら、日本も同じ道を辿っていたと思います。日本とアメリカとの差はどこから来ているのか? という事に関してはいろいろな議論があります。僕は感染者を押さえるためには、社会全体できつい取り組みを始めるタイミングがすごく重要だと考えていて、日本はそのタイミングが間に合った、ということだと思っています。

5月の連休前になるとだいぶ患者さんが減ってきたので、

「ひょっとしたら、日本はなんとかなるかもしれない」

と、やっと思い始めました。ホントにそんな感覚です。一方、3月の3連休で世の中の空気が緩んで感染が広がったことを見ているので、

「今度の連休前も、リスクコミュニケーションをちゃんとやらないとまた患者が増えてしまう」

と、ピリピリしていた部分もありました。しかし東京都で「ステイホーム週間」なんかをやってくださって、みなさん連休中は外に出ないでくれました。その状況を見て「はぁ~、良かった~」と。以後も患者さんがワッと増えることなく、ずっと下がっていったので、とりあえずは一山越えられたのかな、と思っています。

海外メディアの袋だたきに遭って…

――ダイヤモンド・プリンセス号の対応も国際医療研究センターでされていますが、「みんな下船させろ」などの意見がいろいろあり大変だったのでは?

実は僕は海外メディアのプレスカンファレンスに尾身茂先生(政府諮問委員会会長)や厚労省の方と一緒に参加しているのです。そこで出る質問の、意地の悪いこと悪いこと。もう「日本のやっていることは間違っている」あるいは「人権侵害をしている」という前提で、その方向性に合致したコメントを取って自分の手柄として報道したい、という意図しか感じない質問が多かった。

船の中で何が起こっているのか?解決するにはどうした良いのか?と考えるのが筋だと思いますが、そういう観点で聞いてくる記者はほとんどいませんでした。

AFPの方はすごく丁寧に聞いてくださって、私の意を汲んだ記事を書かれていましたが、一部のメディアは酷かった。無茶苦茶でした。「間違いだ」の一点張りですから。がんばって英語でしゃべっているのに、何を言ってもぼろくそに言われるんですよ。メンタル的に結構きつかったです。感染症対策ってこんなことで消耗させられるんだ、って変な勉強させられました。

――乗客をすべて収容できるリソースもないですし、その状況下で下船させてしまえば感染が広がってしまうし、あの時の対応は適切だったのではないでしょうか?

もちろん全員を降ろして入れることのできる個室、たとえばホテルを何棟か借り上げる、とかできれば良かったのでしょうけど、できなかったわけです。

そういう状況の中ででき得ることは、重症者やハイリスクの人を先に降ろして病院に入れ、残りの人は船の中で経過観察をして14日間検疫後、陰性なら降ろす、という方法しかなかったと思います。実際、ダイヤモンド・プリンセス号を下船した人に関連した二次感染はでなかったので、正解だったと思います。もちろん、二次感染が出なかったことを海外のメディアは報じてくれませんでした…。

第二波を乗り越えるためにすべきこと

――新型コロナウイルス感染症の第二波が起きることは覚悟しておかなければならないと思いますが、火だねとして怖いところは?

いま、クラスターが起きているところといえば、やはり医療機関ですよね。あと夜間の接待を伴う接客とかパーティーとか。ひとたび若い人が感染すると、彼らは活動範囲が広いので、感染はどんどん広がっていきます。それを追えて囲っていけるうちはいいのですが、やがてかならず追えなくなる。で、他の世代の人たちとの交流が進む中で高齢者が感染。高齢者は重症化しやすいので入院し始める。そこまで行くと手遅れなのです。

(以上、https://friday.kodansha.co.jp/article/119166 から引用)

3月の頃よりも、世界の感染率は上がっている。あの頃はまだ、インドも、バングラデシュも、パキスタンも、南米も、マシだった。アフリカにも広がってなかった。イギリスは治ってない、アメリカは以前よりも酷くなっている。

1日あたりの新規感染者数は、毎日、過去最高を更新している。

一旦減りかけた死者数も、増えてきている。死者数が増えかけるのは新規感染者が増えかけてから1ヶ月のタイムラグがあってのこと。

日本のヤクザがお好きなフィリピン

お姉ちゃんの供給源は、かなり感染率が上がっている。

それでも、日本だけは大丈夫だと言い続けるのならば、その責任を取れるのか?考えた上で発言して欲しいです。