7473. HIVの教訓

凸ブログを久しぶりに見て

Unknown (藍原延珠) 2020-06-07 16:24:11 COVに関しては獣医学の方が遥かに先に行ってます。遅れた医学は早く追っ掛けて欲しいものです。

とのコメントがあった。

あの場を荒らすつもりはないので、こちらで密かに呟いておく。

過去に一度、ウイルス学者は大きな判断の間違いをしたことがある。それはHIVが登場した30年前のことだ。

逆転写酵素活性を持つレトロウイルスが、AIDSの患者から見つかることがわかった時点で、これは血液感染するだろう、輸血も、血友病の非加熱製剤も危ないとわかった。この時点で、非加熱製剤を使い続けたために薬害エイズ問題が生じた。それは、過去の知られたウイルスの知識に縛られたことによるのだ。

それまでレトロウイルスの多くは動物から見つかった。マウス白血病ウイルス、鳥の肉腫ウイルス、そして人の白血病ウイルスHTLVーI どれも癌を作るウイルスだが、免疫不全にはならない。

当時、エイズの原因ウイルスはHTLV-IIIと呼ばれた。類縁のHTLV-Iは感染してもほとんどの人は発症しない(キャリアの発症率は50人に一人)。発症するまでに感染から40年もかかる。(ただし発症した場合の致死率は高い)

まるで今の新型コロナウイルスと同じだった。一部の人は重症化して亡くなる人もいるけど、大抵は発症しないし、発症しても大したことのない風邪のウイルスって主張する一派がいますよね?

同じように、当時、血友病の方の薬として画期的な非加熱製剤を回収し使えなくするデメリットを考えたら、多少のリスクを取ってでも目の前のベネフィットをとの判断が下された。

実際にはHIVはそれまでのレトロウイルスの常識を覆し、希な例外を除いてほぼ全員が発症し、個人差は大きいもののほとんどの人が死ぬ、薬物が開発されても一生、体からウイルスが抜けることなく飲み続ける業苦を背負い、今でもワクチンが出来てない。

こんなレトロウイルスは、今でも他にはないのです。HIVだけが特殊。(ネコエイズウイルスは、実は免疫不全にはならない。サルの免疫不全ウイルスも自然宿主であるアフリカミドリザルにいる間は免疫不全にはならない。)

過去に囚われ過ぎると対策を間違う。獣医領域のコロナと、同じだと思ったら、判断を過つ。私はそう思います。ウイルスは千差万別であり、宿主(自然宿主か終末宿主か)によっても病態は全く違う。

それが獣医と医師の視点の違いです。獣医に医学が追いつく?

違うと思う。

人の医者は真摯に「虚心坦懐に」目の前の現象と向き合っています。