7419. 抗体検査の感度と特異度

これは、トレード・オフ「二律背反」の関係になる場合がある。

似た様な抗原性を持つウイルスの感染既往を、抗体から見分けるのは難しい。

おそらく、SARS-CoV-2と元祖SARSを見分けるのは無理。(今は、元祖SARSは世界から消えてるから無視している)

やらなければならない課題は、ベータ風邪コロナと、新型コロナの見分けだけど、見分けを厳しくすれば感度が落ちるし、感度をあげると偽陽性で過去の風邪コロナに対する抗体を引っ掛けるだけになる。

同じ現象は、ジカウイルスとデングウイルス(同じフラビウイルス科)で生じているので、先行発売されたデング抗体キットに、ジカウイルス感染者も反応してしまっていました。ジカ抗体キットはタイでは認証を得ようとしたものの、特異度を高くしようとしすぎてて全く感度が出なくてボツになった経緯があります。

峰 宗太郎@minesoh·簡単に説明します

抗体キットというのは簡易的に行うイムノクロマト法などのものが多くばらまかれており、この感度が悪い、特異度が低い、これは事実です。いま街のクリニックなどでできるものはほとんどこの、ダメなものね。そしてこの記事にでてきている「大型機器」のほうが感度・特異度が高いのもその通り

しかし、この「大型機器」はゴールドスタンダードでもなんでもないのです

ちょっとましな機械ということなんです。この東大が村上ファンドの寄付も受けて入れている機械は中国共産党の後押しのあるものですが、たしかに精度はそこそこいい。

問題は、精度はだいぶいいとはいえ、団栗の背比べ、で、同じような方法論で検査をしていることにかわりはない、ということです

偽陽性がどの程度でるか、ということを調べたいなら、ELISAベースなどのラボテストをするか、ゴールドスタンダードとしてのウイルス・シュードウイルスをつかった中和試験をするべきなのです

よって、どこがこの記事のイマイチのところかといいますと、記事の題の「抗体簡易検査「精度に課題」」はその通りで、簡易抗体検査キットは信用すべきではないのですが、ここで紹介された大型機器による「精密検査」が正しい、わけでもないというところ

RT-PCRなどによる確定診断済み患者からの検体との品質試験、抗体価等については中和試験等と突き合わせての評価、ここをしっかりやらないと、「精密検査」もしっかりしているとは言えません

ちらりと昨日触れましたが、日本でも大規模な抗体検査が実施されます

https://chemicaldaily.co.jp/%E3%80%90%EF%BD%88%EF%BD%90%E5%85%88%E8%A1%8C%E5%85%AC%E9%96%8B%E3%80%91%EF%BC%91%E4%B8%87%E4%BA%BA%E6%8A%97%E4%BD%93%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%80%80%E6%AC%A7%E7%B1%B3%EF%BC%93%E7%A4%BE%E6%8E%A1%E7%94%A8/峰 宗太郎@minesoh·使うキット会社は3社で、 ロッシュ、アボット、モコバイオ

先に言っておきますが、最後のモコはばぶには COI のようなものがあります。アドヴァイザーなので。大阪市立大学を中心に研究・評価をしています。どこのキットも、他の「簡易抗体検査キット」よりずっと性能は高いです

そしてデータもしっかりそろえており、透明性も高い。今後大事になってくるのは、現在「研究試薬」であるこれらの信頼性がしっかりわかってきたものについては、薬事承認をしっかりとって、国が保険承認などしていくことですね

そこら辺のクリニックで誰かがばらまいた抗体検査キットはこの読売の記事にもあるように、ほとんどあてになりません

偽陽性が非常に多い。これだけでアウト。抗体検査も保険承認を得られるレベルのしっかりした方法・キットを用いて、事前確率等を考えて医師の指示のもと正しくされることが重要ですね

誰かが配ったキットなどを有料でやってるクリニックは、アウトですよ。余談ですが、昨年12月以前に日本にもコロナが~という話をしている開業医の人などもいますが、これはこれら精度の低すぎる簡易キットをつかって「陽性」が出たという話です

記事の精度をみてもわかるように、全くあてにならない話ですね。

(以上、峰先生でした)