7275. 2月3月の自粛に意味あり

永江氏が絶対に認めないものの1つが、「自粛の効果」だ。

西浦教授は自説を撤回してないし。

いい分析noteを見つけた。

抜き書きさせてもらう。

死者数の増加の割合に差が出ていたのが3月15日から4月10日とすると、感染拡大ペースに大きな差が生じていたのは、2月20日頃から3月15日頃と考えられます。

安倍首相が大規模イベントの自粛を呼びかけたのは2月26日、全国一斉休校は27日です。当時の日本の感染者は全国で149名、死者は1人です。呼びかけを受けて27日のVリーグ男子ファイナル、29日以後のプロ野球オープン戦、3月8日開催の大相撲春場所は無観客試合、8日の国際女性デーのイベントは展示のみ、11日には春の選抜高校野球も中止になりました。

日本は3月25日に小池百合子東京都知事が都庁で緊急会見を開き、週末の不要不急の外出の自粛、平日の在宅勤務等を要請し、安倍首相は4月7日に緊急事態宣言を発しましたが、欧米各国と違って飲食店の営業が全面的に禁止されておらず、違反に罰則はありません。リモートワークも要請にとどまり、公園や買い物にいくなどの外出一般についても制限はありません。

各国の状況によって多少の違いはあるものの、無症状感染者が多く、後に症状を発する人もその前に他人に感染させ、いわば水面下で感染拡大を続ける新型コロナウイルスの場合、陽性患者が増えてから、死者が出てから対策を講じても間に合いません。感染拡大阻止のために各国政府に与えられたデッドラインは2月末頃かせいぜい3月の初め頃、その締め切りに日本は間に合い、欧米は間に合わなかった。これが私が各国の死者数を2ヶ月間チェックして、考えていることです

集まった人が大声を出すのか出さないのか、抱き合うのか抱き合わないのかも同じぐらい重要です。おおぜいの人がいても無言で立っている通勤電車でクラスターが発生していないこと、それより少ない人数のライブハウスや屋形船(酒を飲めば声は大きくなります。さらにカラオケ大会付き)、スポーツジム(大声は出さないが息は荒い)でクラスターが発生していることからもそれが推測されます。したがって、感染拡大を阻止するうえでもっとも重要なのは、大勢の人が盛んに接触したり呼吸量が多くなるイベントをできるだけ初期に止めることです。

近時のイギリスの研究では、欧州の経験をもとに、感染拡大阻止にもっとも寄与したのは休校とされています(ただし、小学校、中学校、高校、大学のうち、いずれの教育機関での休校が感染抑制に最も寄与したのかは不明)。次に効果があったのは大規模集会の禁止、さらにレストランやバー、レジャー施設、イベント会場の閉鎖で、他方、これら以外の業種における営業停止は感染拡大の抑制にほとんど影響がなく、外出禁止は感染症の発生率の減少との相関がないことが示唆されています。
”Impact of non-pharmaceutical interventions against COVID-19 in Europe: a quasi-experimental study”  Paul Raymond Hunter, Felipe Colon-Gonzalez,Julii Suzanne Brainard, Steve Rushton 2020.5.1
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.05.01.20088260v1
NY市のサンプリング調査の結果によっても、新規感染者の感染場所の66%は自宅、2位は介護施設で22%。つまり感染の88%は外出先ではなくて居住場所です。感染者の83%は無職です。Stay Homeなら安全で、外に出るエッセンシャルワーカーが感染リスクに晒されているというのは事実ではありません。感染者の移動手段は「なし」が90%、つまりStay Homeを忠実に守っている人で、公共交通機関で感染した人は3%しかいません。
“外出制限後もNYで多くの感染者が出続けるのはなぜ? 最新調査データと意外な結果【新型コロナ】” 安部かすみ 2020年5月7日7時16分
https://news.yahoo.co.jp/byline/abekasumi/20200507-00177340/
それはみんなが外出しないからと思うかも知れませんが、そうではありません。GoogleMobilityのデータによると、NY州の減少率は、ロックダウン直前の3月21日と5月2日を比較すると、Retail & recreation -51% Grocery & pharmacy -10%、Parks +63%、Transit stations -54%、 Workplaces -38% 、Residential +13%です。つまり大半の人が家庭内で感染したのは、”家にいる人が増えたから”ではないのです。https://www.gstatic.com/covid19/mobility/2020-05-02_US_New_York_Mobility_Report_en.pdf

いったん感染者をハイペースで拡大してしまったら、ロックダウンをしても感染拡大も死者の増加も阻止できません。なぜなら、ロックダウンをしても家庭内の感染は阻止できないからです。ウイルスの立場からみると、消毒作業もいい加減で、換気も悪い空間で、人々が長時間ともに暮らし、長い時間話をして、テーブルを囲んで食事をし、セックスまでしている家庭内は、おおぜいの人がしゃべっているような、例えばコールセンターのような職場は別として、オフィスよりもよほど好都合な場所なのです。ロックダウンの効果が限定的というのは、その文脈であれば理解できます。

なお、日本の場合、陽性者のピークは4月10日ごろ、実際の感染はその1週間程度前とすると、その後の減少について、すべて4月7日の緊急事態宣言の効果とみるのは無理があります。小池知事は3月25日に外出自粛宣言をしましたが、その効果は東京都以外には及ばないところ、4月10日から15日の新規感染者(陽性者)減少の割合は東京都を除く地域の方が高くなっています。
他方、政府が欧州からの帰国制限を実施したのは3月21日午前0時から、アメリカを追加したのは26日からで、その直前には欧米からの帰国ラッシュがおきました。
こうしてみると、感染拡大に一定の歯止めがかかっている主要な要因はまずは早期の大規模イベントの自粛、その後は欧州、アメリカといった感染蔓延地域からの人の流入が途絶えたことと、一貫して効果を発揮しているのはいわゆる”三密”対策の徹底で(後手に回っているのは院内感染、家族間感染防止策、失敗したのは欧米からの帰国者に対してホテルに軟禁した湖北省からの帰国者のような措置を取らなかったこと)、その他の行動制限の効果は不明、とまとめられるでしょう。

(以上、抜粋引用)

永江氏のような乱暴な「自粛不要論」「緊急事態宣言がなくても勝手に収束」論とは異なる、丁寧な分析がなされている。

永江氏には「音喜多」さんに仕事をさせて欲しい。私が彼を評価したのは、そこだから。