7207. 中澤港先生

死亡率、致死率などの数字の説明をしておられる。以下、コピペ

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/050800015/051100003/?P=2

「まず、疫学でよく使われる病原性の指標である致命割合は、CFR(Case Fatality RatioまたはRisk)というものです。これは確定診断がついた患者のうち、その感染によって死に至る割合です。分母が確定診断がついた患者だというところがポイントです」

 確定診断された患者の数は実数が把握できるので、その中で亡くなった人を数えて致命割合を計算する。非常に分かりやすい考え方だ。

「これまでに分かっている感染症の致命割合(CFR)は、SARSが10パーセント、MERSが35パーセント、スペインかぜが3パーセント、アジアかぜが0.5パーセントと言われています。そして、これまでのところCOVID-19は、1パーセントから10パーセントというふうに幅があります。これは、国によって、検査体制や医療体制、さらには、感染者の年齢分布が違うためだと考えられます」

「それは大事なことで、ちょっと詳しく説明します。日本で、季節性のインフルエンザで確定診断がついた患者数(推定値)は年間1000万人ほどで、直接の死者は2000~3000人です。とすると、致命割合(CFR)は0.02~0.03パーセントですよね。でも、一般には一桁大きな0.1パーセントという数字をよく見ると思うんです。これは、分子をインフルエンザ関連死も考慮して推定した超過死亡1万人としたものです。だから、これと比較するのは間違いです。COVID-19の致命割合1パーセントから10パーセントと比較できる季節性インフルエンザの致命割合は0.02~0.03パーセントで、COVID-19の方が2桁以上大きいんです」

「致命割合を計算する際の分母は『確定診断がついた患者数』ですけど、検査体制や医療体制に大いに依存します。COVID-19には無症状の人もいると考えられているのでなおさらです。そこで、確定診断された患者ではなく、感染者全員を分母にとった、『感染致命割合(IFR:Infection Fatality Ratio or Risk)』を推定した上で比較した方がよいのではないかという考えが出てきます」

 ここで「感染者全員」というのは、いかなる検査をもってしても見つけ出すことができないので(かりに全員を検査しても偽陰性の人がたくさん出るので全員は捕捉できない)、なんらかの方法で推定しなければならないことに留意しよう。しかし、その推定をうまくして「感染致命割合(IFR)」を求めることができれば、検査体制に依存しない、ユニバーサルな議論ができるようになる。

「COVID-19のIFRを早い時点で推定したのは、やはり西浦さんたちのグループで、これは2月4日の時点で論文(※4)になっています。武漢からチャーター便で日本に帰国した565名の日本人が全員PCR検査を受けたことから感染確認率を求めて、武漢における無症候性感染者も含めた感染者の総数を推定した上で、感染致命割合(IFR)は0.3~0.6パーセントだと結論しました。これは他の研究グループでも別のデータで数字を出して、西浦さんたちよりもやや高い値を報告していますが、桁は同じです」

1)COVID-19の致命割合は0.657パーセントだ。インフルエンザの場合は0.1パーセント(拡大解釈版のCFR)である。
2)COVID-19の致命割合は0.657パーセントだ。インフルエンザの場合は0.02~0.03パーセント(CFR)である。
3)COVID-19の致命割合は0.657パーセントだ。インフルエンザの場合は0.005~0.01パーセント(IFR:ただしこれは公式の数字ではなく、感染者のうち受診して確定診断が付いた人が1/4~1/3くらいと仮定して中澤さんが出した大雑把な推定)である。

 この中で、数字の比較として正しいのは3)の場合で、これだとCOVID-19の方が、60~100倍も致命割合が高い危険な病気に思える。一方、実際にぼくが大メディアでも確認した1)のような理解だと、致命割合はたかだか数倍だから、「ちょっと重たいインフルエンザ」というイメージになりうる。

 こういったことが積み重なると、まさに「致命的」な誤解につながるかもしれないので、致命割合の話題が出たら、確定した患者の数を母数にしたCFRなのか、見逃されている人を含めた感染者数全体を母数にしたIFRなのかを意識し、インフルエンザと比較されたら「関連死の扱いは?」「医療水準が低い国での致命割合の扱いは?」と意識することが大事だろう。

 さらにもう一点、ニュースで「死亡率」という言葉が使われていたら、それも注意が必要かもしれない。「死亡率」は本来、ある期間の人口あたりの死亡数のことなのだが、致命割合の意味で使われているのをよく見る(もちろん、正しい意味で使われていることもある)。ひたすら混乱要素だらけという印象で、注意喚起しておく。

(以上、抜粋引用)