7010. NALT

ナルトと読む。

鼻咽腔関連リンパ組織(nasopharynx-associated lymphoid tissue ; NALT)

端的に言えば、扁桃腺(喉の奥にある左右の出っ張り、子供はとても大きく、老人に向かって小さくなる)のことだ。他にもあれこれあるけども。

これの腸管版をGALTと呼ぶが、どちらも外界と接しているところを守っているゲートキーパー(門番)だと思ってくれれば、いい。

人間の体で、外界と接しているところのほとんどは「皮膚」で覆われている。物理的にも化学的にも、それなりに耐えてくれる。

他に外界と接して居て、弱点になりやすい部分は「空気の通り道」「食べ物の通り道」「生殖器」「目」です。

新型コロナの場合、これは呼吸器(肺)の病気だ。胃腸の病気ではないので、NALTが重要な「免疫」の場になる。

免疫とは、疫病を逃れるという意味です。

肺は空気から酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出するガス交換機。血液が必ず、肺を通ることになっているので、血管だらけです。でも、免疫能は弱い。

というか、むしろ、肺炎になって「免疫細胞が肺に動員されたら」かなり大変なことになる。血液を酸素化する場が減って、場合によってはサイトカインストームで、動員された免疫細胞とそこから分泌される液体その他で肺の中が水浸しになって「溺れるように」死んでしまう。

そうならないために、人間の体は様々な機能を備え、肺=ナイーブな処女地を必死に蹂躙から守っている。

鼻毛に引っ掛けたり唾液で洗い流したり。気管の細胞に「毛」が生えてて、クイックルワイパーのように絡め取って、繊毛運動によって口の方に運び出したり。

扁桃腺からIgAという特別な抗体を分泌したり。

あらゆる手を使って、肺に病原体が届くのを阻止しようとしている。

それをすり抜けるのが新型コロナ。飛沫核と呼ばれる、小さな粒子サイズのものは、軽いので空気中を長く漂い、吸い込んだら、肺の方まで届くことがある。

100分の1に減らす、それは考え方として正しい。

取り込むウイルスの量が多ければ、発症するが、取り込むウイルスの量が少なければ、発症しても軽くて済むし、場合によっては発症しない。

量に比例するのは確か。

でも、「接触感染ルート」で感染成立に必要なウイルス量と、「肺に直接吸い込んだ場合」の感染成立に必要なウイルス量は同じとは限らない。

接触感染ルートは、喉の痛みや嗅覚異常として早くに発症し、PCR検査でも陽性に出やすいが、エアロゾル感染の場合は、本人が気づかないうちに、ジワリジワリと肺に広がり、ある時点で時限爆弾のように破裂する。

三密には意味がある。特に「発声を伴う密閉」には気をつけて。換気を励行してください。

お願いします。不特定多数が訪れる「三密空間」には近寄らないでください。

重症者は医療を圧迫します。

どうか、お願いします。