5344. 週刊新潮

2019年9月5日号に掲載されていました。訴えられた「余命読者」の声も、幇助者「日本再生大和会」改め「やまと」の現代表理事のコメントも収録した渾身の一報です。労力、ちゃんとかけてますね、これぞプロ。

三宅さんとは違って、千人単位って盛ってもない正確な記載方法。

特に、記者のオピニオンとして「 このような請求合戦はいまなお各地で進行中だ。不特定多数を煽って“暴走”に火をつけた“震源地”、「余命三年時事日記」の管理人はどう考えているのか。弁護士からの提訴対象にはなっていないが、本来、もっとも責任を問われる存在と思うのだが……。」と表明されたことには感謝します。

1点、古谷さんが間違えてることがあります、余命の初代は2012年の8月16日から始めてます、。2000年代の初めって調査不足です。

(以下、引用)

 この一件と同じ、「SNS社会」ならではの騒動がある。かねてから問題となっていた、弁護士への大量懲戒請求だ。司法記者の解説。

「この問題は、2016年、日弁連や各地の弁護士会が朝鮮学校への補助金停止に反対する声明を出したのがきっかけです。翌年、『余命三年時事日記』というブログが、補助金停止は当然として、声明に賛同した弁護士会役員などの懲戒請求を呼びかけた。それに呼応した人々から、全国の21弁護士会に計約13万件もの懲戒請求が寄せられたのです」

 弁護士1人あたり、千件ほどの懲戒請求をかけられる異常事態だ。

「懲戒請求者の多くが、ブログを読んだ一般市民です。懲戒請求の書類はブログ側が用意し、対象の弁護士名も記入済みでした。賛同したブログの読者は、署名、押印して送り返すだけ。対する弁護士は、業務を妨害されたとして損害賠償を求める訴訟を起こしています」

 とりわけ問題は、日弁連などの声明にまったくかかわっておらず、身に覚えのない弁護士が多数、ターゲットにされていることだ。「金」という姓だけで懲戒請求された弁護士もいた。

 ブログを見て実際に懲戒請求をし、弁護士から訴えられた女性は振り返る。

「2年前、友人から教えてもらってブログを見たんです。靖国神社に奉納しているというので“いいことをしてるなあ”と感じて寄付をしました。すると、弁護士への懲戒請求の書類が大量に入ったレターパックが送られてきて……。深く考えずに返送しました。まさかこんなことになるとは、思いもしませんでした」

騒動の発火点となった「余命三年時事日記」とはいかなるブログなのか。ネット右翼などに詳しい、文筆家の古谷経衡(つねひら)氏の話。

「問題の発端となった『余命三年時事日記』は老舗のネトウヨブログです。2000年代前半に開設され、現在の管理人は3代目。老舗ゆえ、読者の年齢層も高めで、50代から70代が主な読者となっています。懲戒請求の一件は、お金と時間に余裕がある方々が、偏った知識を得てしまったのでしょう。若い人に比べるとネットリテラシーが低いこともあり、軽い気持ちで懲戒請求の書類を返送してしまったのだと思います」

 さらには、先の司法記者曰く、次のような事態も起きていて……。

「8月23日、札幌弁護士会所属の弁護士3名が、彼らに懲戒請求をかけてきた52名を相手取り、札幌地裁に提訴しました。これまで各地の弁護士が請求者を訴えるときは相手をランダムに抽出していたのですが、今回は札幌の弁護士が、地元北海道内に住む請求者だけを選んで提訴したのです」

 その3名のうちの一人、皆川洋美弁護士はこう話す。

「私は960通の懲戒請求をかけられました。『余命三年時事日記』を見ていたわけではないので、懲戒請求の呼びかけは知らなかったのですが。共同不法行為として損害賠償請求をし、弁護士1名につき550万円を、52名に連帯して払ってもらいます」

 相手を道内に絞ったのは、自分の生活圏に請求者がいる可能性もあるため。請求者が、日ごろ接する医者やタクシー運転手などかもしれず、落ち着いて暮らせない。ふだん接触がある人が請求者なのだとしたら、訴訟によって反省をうながせれば、との思いがあるという。

 同じく960通の懲戒請求を出された、東京弁護士会の北周士弁護士は言う。

「ネット空間での発言は、ある程度の自由が許されると思います。しかし、現実空間での業務妨害に当たる行為はいけません。ブログを読んで意見を主張するのと、実際に懲戒請求を送るという行為のあいだにはハードルがあると思うのです。私も請求者をランダムに選んで訴えましたが、一度に全員を提訴すると紙の重さが3トンにもなるんですよ」

 このような請求合戦はいまなお各地で進行中だ。不特定多数を煽って“暴走”に火をつけた“震源地”、「余命三年時事日記」の管理人はどう考えているのか。弁護士からの提訴対象にはなっていないが、本来、もっとも責任を問われる存在と思うのだが……。

 埼玉県内の管理人宅を訪ねると、インターフォンからは「あー、本人はおりません」という高齢男性の声。

「(管理人は)昔からの囲碁仲間の一人で、私は留守番を頼まれているだけなんです。連絡先は内緒にするように言われているのでね。口が裂けても言えない。でも、(管理人は)日本の国益にそぐわないような活動をしている人たちを弾圧というか、告発してますから」

 と、単なる囲碁仲間と思えぬ同志意識が透けて見える、含みを持った答え。先の古谷氏は言う。

「懲戒請求を出した請求者も、彼ら相手に訴訟まで起こす弁護士も、ネット社会に踊らされているという感じは否めないですね」

 それぞれの「正義」に基づく行動が、トホホな事態となっているのもまた事実である。

特集「燎原の火の如し! 『SNS社会』の『正義』の暴走」より

https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09070557/?all=1&page=2