2946. 札幌より4

毎日のように発信がある。もはや引くに引けないのだろう。

モスラとゴジラの戦いになりつつある。弁護士さんとは、かくも恐ろしき人種なり。

素人が敵う相手ではございませんな。

http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-3435.html

大量懲戒請求に対する不法行為は個別の不法行為という主張を検証する 明らかな過大請求はやめるべきだ

 大量懲戒請求を受けた弁護士が、濫用的な懲戒請求であるとして、懲戒請求者に対してマスコミを使って訴訟予告を行い、さらには個別の訴訟前の和解として1人5万円を受領しています。
和解した人数は記者会見では公表していませんが三桁には到達していないというものです。50人としても250万円です。さて、私は従来よりこの大量懲戒請求は不法行為が成立する場合には共同不法行為が成立するものと主張してきました。
繰り返しになりますが、このような流れになります。
①「余命3年ブログ」が懲戒を募り、とりまとめる。
②住所、氏名だけが異なるものを一括して弁護士会に送付する。
③弁護士会は精査の上、個別弁護士に一括して懲戒請求書の写しを交付する。
④対象となった弁護士は弁明書を出す。
(なお、③で一括していない場合も弁護士会によってはあるようですが、それは弁護士会の問題です。佐々木、北両弁護士も③の内容で説明されています。具体的な損害論に関わります。)

共同不法行為が成立すると一般的には賠償義務者が不利になります。損害全額について連帯して責任を負うことになるからです。賠償請求する側は、誰に対して損害全額を請求できるメリットがあります。資力のある者を対象に訴えを起こせば足りるということです。

しかし、この大量懲戒請求案件では事情が異なります。佐々木、北両弁護士は既に相当額の「賠償金」を受領しています。そうなると共同不法行為が成立するとされればその受領額分は既に発生した損害に補填されたということになります。
請求額はせいぜい300万円程度ではないかという他の弁護士の見解もありますが、判決による認容額がもっと少なければ、既に全額補填されたという認定もあり得ることになります(この場合は請求棄却)。

しかし、佐々木、北両弁護士は個別の不法行為であると主張しているわけです。しかし、記者会見の場では共同不法行為にならない根拠についての質問がありましたが、明確に答えられていません。

さて、個別の不法行為にならないのか、私なりに再度、検討しました。
今回、懲戒請求があった申立書はこれです。クリックすれば大きくなります。
この定型用紙に懲戒請求者の氏名、住所と日付を記載、押印するだけのものです。
NO238は、私に対して請求されたものにはすべて同じ番号が振られています。
懲戒申立書

実際の懲戒請求もこの1枚だけです。
個別に不法行為が成立する、しかも佐々木、北両弁護士の主張は、弁護士1人あたり30万円の損害が発生するという主張です。
不法行為の成否と成立した場合の損害額が問題になります。
この1枚だけです。懲戒事由とされるものも全く具体性のないものです。
明らかに弁護士会が懲戒するはずもないものと一見しただけでわかるものです。
さて、この1枚の定型用紙を用いて懲戒請求がなされた場合、しかも、これが1件だけで行われた場合、不法行為が成立すると考えますか。成立するとした場合、損害額はいくらが妥当と考えますか。

私は個別であれば不法行為が成立するのかは懐疑的です。仮に認められたとしても損害額は数千円程度ではないかと思います。
虚偽の懲戒請求(例えば、この弁護士にいかがわしいことをされたということで懲戒請求されたが、そのような事実がなく、それをわかっていて懲戒請求を行う場合)は大問題ですが、これはそういった次元のものではないわけです。ある種の信念に基づいて行っているだけのことであり、その懲戒の成否を判断するのは弁護士会なわけです。
弁護士会、弁護士の目からみれば一見して懲戒事由に当たらないとされるものであっても、その判断を求めているわけです。その人たちにとっては「真剣」にです。
加えて、弁護士の懲戒事由は現在では、職務とは直接関連性のないものであっても対象となっていることを考えると、懲戒事由を広くしています。
なので、こういった事情を考えるのであれば不法行為が成立するのは極めて限定的に考えるべきものであり、それ故に私は不法行為が成立することには懐疑的なのです。
仮に成立が認められたとしても数千円レベルというのもそういった事情や制度の仕組みがあるからです。

ところで、今回の懲戒請求は、大量にみなでやったじゃないかという声が聞こえてきそうです。
その通りです。大量だから問題にはなるのです。だから共同不法行為なのです。
佐々木、北両弁護士も大量であることを記者会見の場でも述べていましたが、自ら共同不法行為だと認めているようなものです。
しかも、大量請求でありながら、具体的な被害(損害)に関しても、佐々木、北両弁護士はほとんど具体性のある回答はできていません。記録は厚くなるが(私のもので3cm程度です。)、そんなのを事務所に置いておくだけでも嫌ですよ、と言っているレベルです。
現実にも実損害などほとんどないということです。私自身も大量懲戒請求を受けましたが、既に述べているとおり損害などありません。今回の場合には弁護士会で整理しているので実損害などないにも等しいのです。
(内容の異なるものが大量にバラバラに送られてきたら確かに手間は掛かるというのはわかります。しかし、この点は弁護士会としての対応が求められているところでもあります。一見して懲戒に当たらないことが明らかなものであれば対象弁護士の弁明を聞くまでもなく懲戒不相当とするなどです。)
仮に共同不法行為が成立しても損害として高額になることはあり得ないということです。少なくとも佐々木、北両弁護士が主張するような1人の弁護士が3億などという数字は明らかに過剰と言わざるを得ません。全員訴外和解をしたとしても1人の弁護士が5000万円ですが、これとて明らかに過剰です。どうみたって5000万円の損害など発生しているわけもないのです。
それぞれの年間所得すらも超えるのではないでしょうか。
(所得が5000万円を超える弁護士は多くはなくましてや3億円を超える弁護士はごくごく少数です。佐々木弁護士らは訴訟費用等の経費をまかなうためとしてカンパも集めもされています。)

この共同不法行為が成立するという見解に対しては、それを頭割りをしたら数千円レベルになってしまう、みなでやれば怖くないということになって不合理だという批判があります。
しかし、現実の前提として個別の不法行為だとしてもそれが30万円(少なくとも5万円)になるのか、それ自体が問われているわけです。5万円×1000人で5000万円の損害を被ったということがです。個別の不法行為という場合には前述したとおり、そもそもの成否の問題、額の問題があり、共同不法行為よりも主張・立証のハードルは上がります。大量だからというキーワードは使えないからです。そういった違いを無視して頭割りをしたらという立論は批判として全く意味がありません。
佐々木、北両弁護士は、訴訟提起方法についても裁判所に相談するとも言っていました。1000人をまとめて1つの訴状にすると書証も1000人分を1000人それぞれに添付することになるからです。
なので、まずは60人程度、準備ができ次第、順次という方法も言っていました。
個別に訴状を作成すると1000回、裁判所に行かなければならなくなるとも言っています。
つまり、両弁護士は共同訴訟にしたいわけですが、個別の不法行為が成立すると言いながら何故、共同訴訟なのかは大いに疑問です。訴訟経済と同一の心証を得るためが目的というのであれば、その後に起こされたもの、他の裁判所に起こされたものも併合ないしは同時審判としなければ筋が通りません。
そうなると被告側の欠席も相当数見込まれますが、直ちに裁判所が欠席した被告に対して損害額を30万円と認定することにもならないと思います。

それから共同不法行為が成立するとしても抗弁として主張できるのかという批判もあるようです。前述しましたが、共同不法行為の成立は一般的には賠償権利者の利益のためのものだからです。
佐々木、北両弁護士は共同不法行為にはらないという見解に立っていますが、訴訟上は、共同不法行為は成立するがそれは主張しないで個別の不法行為のみで請求するという方法も可能です。
しかし、繰り返しますが、個別の不法行為という場合には前述したとおり、そもそもの成否の問題、額の問題があり、共同不法行為よりも主張・立証のハードルは上がります。この前提を無視しても無意味です。要は、あの定型用紙に住所、氏名を記載して押印し、それだけで弁護士会に送ったら30万円が損害として認定されるのかということです。

にも関わらず、個別に不法行為が成立するとして、個々の懲戒請求者に対して高額な和解金を訴訟予告を通告して行うことに私は、非常に問題があるやり方であると考えています。
佐々木、北両弁護士は、訴訟外和解では、懲戒請求者と話をすると懲戒制度について全くわかっていない、署名のようなものとして応じていたと言っているというのです。要は誤解から始まっているのですからその件に関しては謝罪をしたらそれで終わりではないかというレベルかと思いますが、和解基準は一律にして下げない、要は5万円を払わしているというのです。
大量懲戒請求を受けた者として述べる 大量懲戒請求に対する訴訟提起はかえって弁護士としての品位が問われないか

不法行為は個別に成立し、共同不法行為にはならないということ、さらには個別の損害が最低でも5万円は発生しているということについて、弁護士の立場として明確に答えられるのでしょうか。
なお、それでも懲戒請求者たちに対して、過大な請求を続けますか。

※以上の見解については随時、批判、意見等を入れながら補足、あるいは修正していきたいと思います。
佐々木、北両弁護士の訴状が明らかになった場合には答弁書の形でもまとめる予定です。

(以上)
1. はじめに(お願い)へ戻る  目次もあります